日本語対応の基礎知識
日本語対応の概要
最初にUnixが開発されたとき,7ビットのASCII文字コードを前提に作られていた。
そして,メモリ容量を節約するために,一部プログラムが未使用の最上位ビットを制御情報の格納場所として利用していた。
そのため,日本語などで使用する8ビット文字コードが使えなかった。
しかし,80年代中頃,日本を中心に国際化の作業が行われ,EUCという文字コードとそれを扱うための基本的な仕様が作られた。
その結果,Unix系のOSは中核部分が国際化され,日本語の文字コードなどを扱うことができるようになった。
GUIを管理するX
Windowも90年代の前半に国際化への対応を終えている。
しかし,中核部分が国際化されても,その国際化に対応した機能を使わずに作られたプログラムもあり,そうしたプログラムでは日本語は扱えない。
また,国際化に対応する機能があっても,それを正しく設定して使わなければ,やはり日本語は扱えない。
欧米でリリースされるLinuxディストリビューションは,日本語用に設定されてはいない。
また,日本語を扱えないプログラムも多数混入している。
そのため,そのままでは日本語を扱えない。
日本語に対応したディストリビューションはこの点を解決したもの。
日本語に対応していないプログラムを日本語に対応するものに置き換えたり,日本語扱えるようにソースコードを修正してある。
同時に設定項目も日本語を扱えるように設定し直してある。
ライブラリのバージョン
日本語の入出力を制御するソフトウェアは一つではなく,使用形態によって主に次の二つがある。
- 端末を使う場合
C言語のライブラリを使って入出力を制御する
- X Windowを使う場合
Xlibという低レベルのライブラリに入出力機能がある
ところが,上の端末を使う形態で入出力を制御するC言語ライブラリが最近変更された。
多くの英語版ディストリビューションで使われていたC言語のライブラリ(libc5と呼ばれるもの)が国際化への対応が不十分であり,それを改善するために新しいバージョンに置き換えられたため(glibc2.0あるいはglibc2.1が新しいもの)。
日本語対応ソフトウェアはこのライブラリと連携して動くため,ライブラリが合わないと正しく動作しない。
英語版に追加するタイプの日本語対応ソフトはこの点に注意。
英語版に追加するタイプ
日本語機能だけをパッケージにまとめたものがあり,それを英語版に追加セットアップすることで日本語対応にシステムを変更するのがこのタイプ。
下記がその代表。
- PJE
SlackwareやRedHatに追加することを想定して作られたもの。libc5に対応する。
- Debian JP
Debianに追加することを想定して作られたもの。
- JRPM
日本語対応ソフトウェアがRPMという形式のでパッケージ化されているため,Red Hat
Linux,TurboLinux,MLD IIIといったRPMに対応したディストリビューションで利用できる。
英語版のLinuxディストリビューションと,日本語パッケージの両方が必要。
ライブラリの互換性や設定などの知識が必要なので,初心者には扱いにくい。
最初から日本語に対応したディストリビューション
最初から日本語対応に必要なソフトウェアを組み込んであり,設定も日本語に対応するものをデフォルト設定にしてあるのがこのタイプ。
インストールすれば,すぐに日本語が使えるので余計な手間がかからない。
下記がその代表。
- Vine Linux
RedHat
5.2をベースに日本語対応ソフトを付加したもの。インストーラなども日本語化されている。
- RedHat Linux 日本語版
RedHatの日本代理店である五橋研究所が日本語化して販売しているもの。
- TurboLinux 日本語版
RedHatにJRPM を追加して日本語化し,インストーラや管理ツールを付け加えたもの。
- Plamo
Slackware-3.3および3.4にPJE-0.1.xを追加し,インストーラの日本語化やドキュメントのデータベース化などの拡張を行ったもの。
- Linux MLD III
メディアラボ社による日本語ディストリビューション。RPMへの対応,Windows95のレジストリを参照して設定値を決めるインストーラなどが特徴。
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